不妊症は一般的にもよく聞かれますが、「不育症」は意外にもあまり知られていない病名でした。
しかし最近になり不育症に関してドキュメンタリー番組で取り上げられたり、不育症と診断され通院している人にも助成金が支払われる自治体も増え、その名を耳にする機会も増えてきました。
不育症とは、
妊娠することができても何らかの理由でお腹の中で赤ちゃんが育つ事ができず、何度も流産や死産を繰り返してしまう病態です。
一度でも辛い流産や死産を何度も繰り返してしまう…。
これは計り知れないほどに辛く苦しいことです。
では不育症により体と心にどういった心のダメージがあるのか、そして筆者が不育症の方に伝えたいことをまとめました。
不育症について知りたい方も、今現在不育症により苦しんでいる人にも是非目を通していただければと思います。
目次
妊娠することが恐怖
何度も流産を繰り返していると妊娠すること事態に恐怖を感じるようになります。
妊娠しても流産してしまうのではないかと常に思うようになります。
不育症をと診断されるのは3回以上の流産や死産を繰り返してからですので(※2回連続の流産や死産は『反復流産』と呼ばれます)、少なくとも3回は経験していると思いますが、その悲しみは相当なものでしょう。
赤ちゃんが欲しい、けれど育たない…このジレンマを克服するのはとても難しいことです。
妊娠することへの怖さは拭いきれないものとなっています。
原因不明が半数以上
不育症と診断されて、検査をしても原因がわからない結果となることが多いのも特徴です。
子宮奇形や血液凝固など、母体の疾患があるとわかれば治療することにより克服できるかもしれませんが、原因不明ともなればどうしたら良いのかわからなくなりますよね。
そもそも不育症についてはまだまだ解明されていないことが多くありますので、そのために原因がわからないといった結果になってしまうことが多いのです。
検査を受けるたびに原因がわからないとなれば、自費の検査を受けるように勧められますがそれでも原因が必ずわかる保証があるものはないのでそこで諦めてしまう人も多くいることでしょう。
死産や流産後の手術による体と心のダメージ
死産や流産といった経験は、大きなトラウマとして残り続けます。
その後に、無事妊娠して出産をする事ができれば精神的なダメージは少し軽減されるのかもしれませんが、不育症だとそうはいきません。
また同じ事が切り返されるのです。
お腹の中で赤ちゃんが成長と止めてしまうと、当然のことながら処置をしなくてはなりませんが週数や状態によって処置の方法も変わっていきます。
その多くが痛みを伴うものですので、身体的にも精神的にも大きなダメージを受けることとなってしまいます。
なんで自分だけこんな思いをしなくてはならないのか…とその悲しみは言葉では言い表せないほどに大きなものとなります。
繰り返されれば繰り返されるほどにその傷は深くなっていくことでしょう。
不育症に苦しむあなたへ
今現在、不育症と診断され絶望の淵になっているあなたへ伝えたい事があります。
あなたが経験した悲しみや痛み、苦しみはとても共感できるところがあります。
私も原因不明の不育症と診断され、多くの出来事に傷付き、苦しみ、涙を流しました。
人に会うことも億劫になるほど自分の殻に閉じこもってしまった時期もありました。
結婚して子どもが産まれて、家族が増えて…そんな当たり前だと思っていた未来が当たり前ではなかったと知ったのは24歳の時でした。
最初は「流産なんてよくあることだから」「次はきっと大丈夫」と諭されましたが(なにがわかるの?)と私を思ってこその優しい言葉がけにも、心の中で反発してしまうほどに心は荒れていました。
旦那にも申し訳ない、親族にも顔向けできない…。
旦那をパパにしてあげる事ができない自分を責めながらも、私は赤ちゃんを産む事を一時期諦めていたのです。
しかし、もう一度頑張ってみようと決心する大きな出来事が私たち夫婦の間で起こりました。(※その内容については端折らせていただきます)
そして結婚してから10年後…5回目の妊娠で、無事に第一子を出産することができました。
セカンドオピニオンにて甲状腺疾患の疑いがあることがわかっていたので、そちらの処方薬と、お守りとしてベルタ葉酸サプリを毎日服用しながらの妊娠生活を送っていました。
それが成功だったのかどうかはわかりませんが、私の場合はそれで出産にたどり着けたので良かったと思っています。
流産や死産は経験した人にしかわからない大きな悲しみと苦しみが残ります。
そういった時は思い切って休みましょう。
妊活をストップするのです。
そうすると自分の気持ちと向かい合う時間も確保できますし、気持ちがリセットされたりします。
傷付いた心と体を癒す為にはまずは時間が必要となります。
今悲しみの渦中にいるのであればとにかく無理をしないでください。
焦る気持ちや、申し訳ない気持ち、妊娠に対する恐怖感…とてもよくわかります。
本当によく頑張ってこられたのだと思います。
でも何と言ってもあなたの体と心が一番大切なので、自分を大切にしてください。
私の体験を通して、不育症でも赤ちゃんを産む事ができる、ということを知っていただけたら幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。